タイ伝統医学の考え方に「セン」というものがあります。これはエネルギーの通り道のことでアジア圏全般に共通する体の見方です。
東洋医学でも「経絡」という気血水の通り道を使った治療を行いますが、経絡経穴とセン、微妙に異なる部分と共通する部分が混在しているのが面白いなぁとお客様のお体を触りながら感じています。
アジア圏の医学の考え方は、中医学もタイ伝統医療もインドのアーユルヴェーダも共通して「自然と一体」「共存・バランス」「個人差」という点が西洋医学と大きく異なる点です。
どちらが正しいとか優れているとかそういう比較はできませんが、この個人差を重んじ自然と調和するという考え方が、まさに経絡とセンの相違に表れているなぁと感じます。
中国とタイ、もちろんインドや日本もですが、それぞれ気候も民族もバラバラです。
気候が違えば育つ作物が違い、食文化が異なります。
民族が違えば骨格も異なりDNA情報にも差異が出るでしょう。
これらの差異が経絡(中国)とセン(タイ)ひいてはナディ(インド)がぴったり重ならない理由、そして国や個人によって微妙に経穴の位置がずれる理由なのだと思います。
鍼を打つ身からすると、ちょっと「わー(棒)」となります。
「わー(諦)」となりつつも、その個人差を見つけるのが楽しかったりするので、今日もひたすらお客様のお身体と向き合っていきます。
たまに私が少しフリーズしている時は、おそらく頭の中で「前回とお身体が変わってるー!わー!」となっている時だと思われますので、気にせず放置していただけますと幸いです。